架電の基本
テレアポの心構え
1. 声のトーン・スピード・言葉遣いだけが印象のすべて
2. 相手は「知らない番号=警戒」のマイナス印象からスタート
3. テレアポは「興味」ではなく「関心」を作る作業。「自分たちに関係ありそう」と思わせることに集中する
押さえるべきマインド
- アポが取れる = 「課題感を自覚させられた」ということ。商品を売るのではなく、課題に気づかせる
- 営業は「悪いこと」ではなく「価値のある情報提供」。お客様のデメリットは「時間」だけ
- 押しの営業が大前提。引きの営業ではアポは取れない。ただし口調は優しく、トーンも高く
- お客様の言葉を鵜呑みにしない。断ることしか頭にない相手に対し、別角度でアプローチし続ける
- 断り文句の裏に「本音」がある。「忙しい」「必要ない」の裏には別の理由が隠れている
- アポは「入る入らない」ではなく「入れる入れない」。行くことはこちらで決める
- 1本目で成果が出ることは稀。後追い・再架電で成果が出るケースが非常に多い
成果を出す人の共通点
- 断られても1分話し続けられる
- 断りの裏にある本音を探る
- 数字を毎日記録している
- スクリプトに縛られず話を変えられる
- うまくいったトークをその場でメモする
成果が出ない人の共通点
- 断られてすぐ切る
- スクリプトを棒読みする
- 一方的に話しすぎる
- 架電の記録をつけない
- 受付で諦める
1位: お客様からクレームにならない対応
2位: 取引先(クライアント)からクレームにならない対応
3位: アポ率最大化
この順番を間違えないこと。成果を焦るあまり強引になるのはNG。
事前準備
架電は準備が8割。架電前に何をするかで成果が変わります。
最低限答えられるようにすること
- どんなサービスか(一言で)
- 誰向けのサービスか
- 他社との違い(強み)
- 実績の数字
- 費用の概要
架電前チェックリスト
- 営業管理シートを開いているか
- サービス内容・実績を把握したか
- スクリプトを手元に置いたか
- 今日の目標数を確認したか
- 日程調整URLを準備したか
- 声・体の準備はできたか(声出し・口角上げ・立って話す)
架電前に声を出して体を温める。口角を上げるとトーンが明るくなる。立って話すと声に張りが出る。最初の3〜5本はウォームアップと割り切る。
架電中の手元必需品
- 営業管理シート
- スクリプト
- 日程調整URL
- メモ帳(断り理由・温度感を即記録)
- クライアントHP(質問されたときの参照用)
推奨架電時間帯
| 時間帯 | つながりやすさ | 備考 |
|---|---|---|
| 9:00 - 11:30 | 最もつながりやすい | 午前中が架電のゴールデンタイム |
| 13:00 - 14:00 | つながりやすい | 昼休み直後、席にいる率が高い |
| 14:00 - 17:00 | 普通 | 会議が入りやすい時間帯 |
| 月曜午前・金曜夕方 | 避ける | 週始め/週末で忙しく断られやすい |
架電の基本フロー
架電・受付突破
代表電話にかけ、担当者(決裁者)につないでもらう。営業っぽさを出さず、取引先のような自然なトーンで。詳しくはPart4で解説。
挨拶・つかみ(15秒以内)
つかみの3要素: (1)誰か(社名・名前) (2)何の用件か(一言) (3)フック(相手が聴く理由)。一言目は15秒以内に収める。
ヒアリング
良いテレアポは「聴く割合が多い」。オープン質問で相手に話してもらい、課題を引き出す。
提案・オファー
ヒアリングで得た課題に対してサービスがどう解決するかを簡潔に。事例・数字で説得力を出す。
断り対応・切り返し
断りが来てからがスタート。断られてから1分話せたら勝ち。共感→切り返し→再オファーの流れ。
アポ獲得・日程確定
日程は2択で提示。「会うか会わないか」ではなく「火曜か木曜か」で聞く。獲得後は即日程URL送付→即上長報告→シート記録。
記録
会社名・担当者名・役職・架電結果・断り理由詳細・温度感・次回アプローチ可否を記録。うまくいったトークも一言メモ。
つかみの具体例
ヒアリングの質問パターン
| タイプ | 質問例 |
|---|---|
| 現状把握型 | 「現在、新規の商談はどのように獲得されていますか?」 |
| 課題引き出し型 | 「特に課題に感じていらっしゃることはありますか?」 |
| ニーズ確認型 | 「新規商談をもっと増やせるとしたら、どの部分から手をつけたいですか?」 |
| 締め型 | 「一度30分だけでも詳しくお話しさせていただけませんか?」 |
声・話し方のポイント
- 相手より0.8倍のスピードで話す(ゆっくりめ)
- 明るさ × 落ち着きのトーン。テンション高すぎも低すぎもNG
- 語尾まで言い切る(「〜だと思います」ではなく「〜です」)
- クッション言葉を使う(「恐れ入りますが」「差し支えなければ」)
- 相手に被せず話す。沈黙を恐れず余白を残す
受付突破の技術
文言よりも「態度(スタンス)」が9割。取引先感の余裕と丁寧さがすべて。
1. 内容より話す雰囲気が9割。「焦ってる・詰め込みすぎ・丁寧すぎ」が営業感の原因
2. なるべく少ない文字数で話す。文字数少ない=取引先感、多い=営業感
受付突破テクニック
- 一言目は短く、要件は曖昧に残す ── OK:「○○の件でお電話してるんですが」 NG: 長々と説明
- 取引先っぽい言い回し ── 「先日お送りした資料の件で」「○○様の件で」
- 名前不明時は役職・担当業務で指名 ── 「人事のご責任者様は?」「営業の責任者の方を」
- 社内者っぽい語尾 ── 「○○様、今お手すきかわかりますか?」が「いらっしゃいますか?」より効果的
- 再架電の伏線を必ず残す ── 担当者の名前を聞けたら次回の突破率が格段に上がる
- 不在時 ── 担当者名と戻り時間を必ず確認。「お名前だけ伺ってもよろしいですか?」
パターン別の対応法
| 受付の反応 | 対応 |
|---|---|
| 「どのようなご用件ですか?」 | 用件の輪郭だけ伝えて担当につなぐよう誘導。詳しく説明しすぎない |
| 「担当者に確認します」 | 保留中は何も話さず待つ。繋がる可能性が高いパターン |
| 「必要ないです」 | 受付が判断しているケース。「責任者の方に一度だけお繋ぎいただけますか」 |
| 「メールで送って」 | 「送る前に少しだけ状況をお伺いしてもよろしいでしょうか」 |
| 「不在です」 | 担当者名と戻り時間を必ず確認して次回につなげる |
・長々とサービス説明をする
・「営業のお電話なんですけど」と自ら名乗る
・丁寧すぎる敬語(かえって営業感が出る)
・すぐ電話を切る(担当者名を聞かずに終了)
・焦って早口になる
断り対応・切り返し集
断りが来てからがスタート。断られてから1分話せたら勝ち。
1. 必ず共感を入れてから切り返す(「そうですよね」「多くの方も最初はそうおっしゃいます」)
2. 「聴くだけOK・判断はお任せ」でハードルを下げる
3. 「言い負かす」のではなく「納得させる」。相手が「自分で決めた」と思える語り方
4. 断りから次の展開につなげる。感じのよい営業で記憶に残す
断りパターン別 完全切り返し集
| 断り文句 | 切り返し例 |
|---|---|
| 「興味ありません」 | 「そうですよね、多くの方も最初はそうおっしゃるんですよね。ただ、聴いてみたら『うちにも関係あった』と感じていただく方が多くて。30秒だけ補足させてもらってもいいですか?」 |
| 「今は忙しい」 | 布石チャンス。「来月あたりはいかがでしょうか?一度だけでもお耳拝借できれば」 |
| 「他社で間に合ってる」 | 「今のサービスに改善したい部分ってありますか?」「更新タイミングはいつ頃?比較の1社として」 |
| 「必要ないです」 | 「○○業界の企業様に特にお役立ていただけるサービスでして、一点だけ補足させてもらってもいいですか?」 |
| 「予算がない」 | 「初期費用・月額費用なしで、成果が出た分だけのご請求なのでリスクはゼロなんです」 |
| 「社内で検討します」 | 「いつ頃ご確認いただけそうでしょうか?」期限を設定。「ご連絡お待ちします」で終わると消える |
| 「メールで送って」 | 「送る前に少しだけ確認させてください」。どうしてもメールなら確認期限を決める |
・「他社使ってる」= 競合比較を促進するチャンス
・「予算がない」= 無料の情報提供としてアプローチ
・「今じゃない」= 次回の布石を打てる。再架電のきっかけ
アポに繋げるオファー術
自分なりのオファーパターンを最低5つ用意しておくこと。
7つのオファーパターン
| パターン | トーク例 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 聴くだけ型 | 「お話だけでも結構です」 | 最もハードルが低い |
| 判断保留型 | 「話を聴いてから判断していただければ」 | プレッシャーを外す |
| 比較検討型 | 「比較の1社としてご検討いただければ」 | 競合がいる相手に |
| 実績訴求型 | 「同じ業界で初月○件の実績があります」 | 数字で刺す |
| 自信アピール型 | 「御社には特にフィットすると思います」 | 熱量で動かす |
| 時間制限型 | 「30分だけ」「1分だけ」 | 忙しい相手に |
| 次回タイミング型 | 「来期の見直しに向けて情報だけでも」 | 今NGでも将来に繋げる |
・「無料」は最低2回言う。「損するかも」の不安を除去する
・「お願いベース」ではなく「提案ベース」。自信と誠意を見せる
・ベネフィット × 安心感のセットで伝える
・主導権を相手に預ける。「自分で決めた感」がドタキャン防止にもなる
・感情を込める。営業が本気だと伝わると聴いてもらいやすい
「4つの不」を順番に解消する
相手が断る理由は4段階。順番に解消していくことがアポ獲得の近道。
1 不審(お前誰だ)
「怪しくない」ことを証明する。業界・取引先・地域の繋がりを提示し、受付が判断できない状態を作る。
- 「○○業界の企業様を中心にご支援しておりまして」
- 「御社と同じ業界で○社様にもご利用いただいておりまして」
2 不要(いらない)
「自分には関係ない」を「関係あるかも」に変える。業界上位10社中○社に採用、という表現が効く。
- 課題を仮説ベースで具体的に提示して「それ、うちもだ」と思わせる
3 不適(うちには合わない)
同業種・同規模の成功事例で証明する。ビフォーアフターの数字が最も効果的。
- 「御社と同規模の○○様では初月で○件の商談を獲得」
4 不急(今じゃない)
「今すぐ」じゃなくてもいいと伝えつつ、情報収集のメリットを訴求。
- 「来期の見直しタイミングに向けて、情報だけでも」
- 「今すぐどうこうではなく、比較材料としてお持ちいただければ」
状況別トーク実例集
ワードを暗記するのではなく、ニュアンスと使いどころを掴むこと。
状況別フレーズ集
| 状況 | 使えるフレーズ |
|---|---|
| 電話切られそう | 「30秒だけよろしいですか」「1点だけ補足させてください」 |
| 決裁者に未到達 | 「責任者の方にお繋ぎいただくことは可能でしょうか」 |
| 迷っている | 「聴いてから判断でも全然大丈夫です」「情報収集の一環として」 |
| 実績を伝える | 「同じ業界で初月○件の実績がございます」 |
| 他社利用中 | 「比較の1社として。併用いただいている企業様も多いです」 |
| 日程打診 | 「来週の火曜と木曜でしたらどちらがご都合よろしいですか?」 |
| 温度感が低い | 「今すぐどうこうではなく、情報だけでもお持ちいただければ」 |
| 料金を聞かれた | 「プランが複数あり、次回資料を元にご説明させてください」 |
会話を続かせる技術
- 小さなYESを積み重ねる ── 確認質問で小さな同意を積み上げてから本題へ
- オウム返し ── 相手の言葉を繰り返してから話を展開する
- 沈黙を恐れない ── 余白があると相手が話し始める
- 共感ワード ── 「なるほど」「確かに」「そうですよね」を自然に挟む
- 第三者法 ── 「実は○○で悩んでる方って結構いるんですよ」で自分ゴト化させる
- オープンループ ── 中身を見せず結果だけ提示。「続きを知りたい」状態を作る
- 二者択一 ── 「会うか会わないか」ではなく「火曜か木曜か」で聞く
よくある失敗パターン
トーク系
- 商品説明ばかりで相手に話させない
- 断られてすぐ引いてしまう
- ヒアリングなしでいきなり提案する
- 相手の意見を否定する
- 声のトーンが暗い・元気がない
- スクリプトの棒読み
- 説明しすぎて「会わなくてもいい」と思わせる
受付・クロージング系
- 受付で営業感が強すぎる
- 担当者名を聞かずにすぐ切る
- ゴール不明のまま話し続ける
- クロージングをかけずに終わる
- アポ獲得後の報告が遅い
- 日程URL送り忘れ
- 成功トークを記録しない
最後まで喋りきること。断られても共感→切り返し→再オファーで1分粘る。ただし相手が高圧的・明確に怒っている場合は即座に丁寧に謝罪して終了。口論は絶対NG。
型を体に染み込ませる
型を完コピする
まずはスクリプト通りに話す。自己流を入れない。型をそのまま再現できるようになることが最初のゴール。
うまくいったトークを記録する
アポが取れた時、反応が良かった時のトークを一言でもメモ。成功の再現性を高める。
失敗パターンを分類する
「受付で止まった」「担当者に繋がったが断られた」「アポ直前で引かれた」など分類し、各パターンに対策を用意。
週次振り返りで改善点を1つ決める
毎週1つだけ改善テーマを決めて翌週に実行。一度に多くを変えようとしない。
1. このマニュアルを1セクション読む
2. 昨日の数字を確認する
3. 今日の目標を確認する
4. 未対応の再架電リストを確認する
5. 声出し・ウォームアップ